今夏最後の学校登山ガイド。今回ご案内するのは白馬村と長野市の間にある中条中学校。虫倉山の裾野に広がる中条村は、急傾斜地に数多くある棚田と点在する集落の風景が、「日本のふるさと」にふさわしい情緒豊かな村だ。
生徒数は1年生・2年生合わせて33名。山村にあるためか生徒数は少ないが、みんな元気いっぱい!登りの時は誰ひとり弱音を吐くことなく唐松山荘に到着し、唐松岳山頂では全員で校歌を熱唱。その歌声は唐松山荘にまで聞こえていたそうだ。
山小屋での生活態度も素晴らしく、具合が悪くなる生徒はゼロ。同行した看護士さんも今回ばかりは「暇」だったようだ。
夕方になると、それまで視界をさえぎっていた雲が沈み、剱・立山、五竜岳、白馬三山が見渡せるようになり、翌朝の御来光は見ることができなかったものの、山荘出発前にはブロッケン現象を見ることができた。生徒からは「スゲーッ」「きれい!」の声が連発。やはりこの景色を見れば誰もがそう感じるんだと、あらためて思った。
わずか2日間の登山であったが、生徒達にとっては貴重な体験ができたと思う。自然豊かな長野県に生まれ育ったのだから、これからも山や自然に親しみをもって接してもらいたい、と願う私であった。