ネパール大地震から半年が経ちました。復興にむけて進んでいる彼らに新たな危機が訪れています。それは深刻な燃料不足。
ネパールはインドと中国の二大大国に挟まれた小さな国です。生活に必要な物資のほとんどは隣国インドから陸路で運ばれてきますが、そのインドからの供給が正常に機能しなくなってしまいました。原因はネパール国内の民族に絡んだ政治問題で、今年の9月以降食糧や生活必需品に加え、ガソリンや調理用ガスが極端に不足する事態に陥りました。
現在は少し状況が改善したようですが、それでもガソリンや調理用ガスの供給量が通常の25%程度しかなく、燃料不足は続いています。ガソリンスタンドの前は車やバイクが長蛇の列になってますが、いつ供給されるかすらわからず給油量も限られるようです。このように正規ルートからの入手は非常に困難であり、闇ルートから流れてくる割高の燃料を購入している人たちがほとんどです。
ガソリン不足の影響でカトマンズ市内を走るバスの台数が減り、バスはどれも超満員で中に入りきらない人たちがバスの天井にまで乗っていました。その他にも国内線の飛行機の燃料が確保できずに欠航になったり、長距離バスも運行中止や減便になったり、タクシー料金は倍以上になっていて、市民生活に加え観光客にも影響が出ています。
調理用ガスの不足も深刻で、市内の食堂はメニューの数を減らしたり、薪調理に切り替えた食堂が増えました。各家庭でも薪で調理したり、電気調理器を買ったり、それぞれ工夫しながら今の状況を乗り越えようとしています。
ネパールの電力はほとんどが水力発電によるもので、こちらは燃料不足に関係なく慢性的な電力不足が続いてます。カトマンズ市内は毎日数時間(6〜12時間!)停電しています。電気も無い、ガソリンも無い、調理用ガスも無い。。。日本でこんなことが起これば生活そのものが成り立たず大パニックになりますが、ネパールは「無ければないなりになんとかなるか」といった国民気質が根底にあって、こんな状況にも関わらずひっ迫した雰囲気は感じられません。
とはいえ日常生活にいろいろ支障が出ているのは確かで、さらに地震と燃料不足の影響でトレッキングを含めた海外からの観光客は半減しています。ネパールは観光が国の主幹産業のひとつであり、ホテル、レストラン、トレッキング会社など観光業に携わり収入を得ている人たちも大勢います。
地震からの復興にも影響が出ている今回の燃料不足、一日も早く解決して復興へと進んでいってほしいと願うばかりです。