
あぎ登山ツアーとして、8月27日から3泊4日の予定で表銀座・槍ヶ岳コースを案内しました。参加者は辻さん。昨年に続いて2回目の参加です。
計画書では
1日目 中房温泉−合戦尾根−燕山荘−大天井ヒュッテ(泊)
2日目 大天井ヒュッテ−西岳−東鎌尾根−槍ヶ岳山荘(泊)
3日目 槍ヶ岳山荘−槍ヶ岳−中岳−氷河公園−槍沢−横尾山荘(泊)
4日目 横尾山荘−上高地
でした。
1日目は曇り時々晴れのまずまずのお天気で、予定通り大天井ヒュッテに泊まりました。その日の泊まりは11名。夕食は名物の揚げたてとんかつ。
2日目、ヒュッテ出発時は曇りでしたが、赤岩岳を越えたあたりから雨が降り始め、ヒュッテ西岳に着く頃には雷が鳴り始めました。ヒュッテ西岳で休憩中、雨と雷はますます激しくなり、このままの状態が続くようであれば東鎌尾根の通過は非常に危険です。ガイドとしてこれからの行程の決断を迫られました。
まず朝から鳴り出した雷。このあと一日中雷が続くとは思いませんが、辻さんはかなりビビリモード。このまま早く下山したい、とまで言い始める始末。山では落雷による死亡事故も多数あり、このまま東鎌尾根を歩くのは自殺行為に等しいので、このルートは消滅です。
では少しでも安全なルートとして、水俣乗越から槍沢に下山して槍ヶ岳を目指すか、一旦横尾まで下山して翌日お天気次第で奥穂を目指す、というプランを考えましたが、一度下山してから再度登るのは精神的・体力的に厳しく、槍沢に下山=上高地に下山して登山終了となってしまいます。
そこで私が選んだのは、今来た道(喜作新道)を戻って大天井岳で泊まり、翌日の天気と体調次第で燕岳へ向かうか常念岳・蝶ヶ岳へ向かう、という行程でした。辻さんもその案に賛成してくれ、ヒュッテ西岳で雨と雷の様子を見ながら、引き返すことにしました。
朝出発した大天井ヒュッテに着く頃には雨と雷はおさまりましたので、翌日の行程を考えて大天荘に泊まることにしました。この日の泊まりは30名、団体2組と個人は我々だけでした。夕食は肉料理(鶏唐揚げ)か魚料理(さばの味噌煮)のチョイス。
3日目は期待以上にお天気が回復し、御来光のおまけ付き。槍ヶ岳には登れなかったけど同じ槍と名の付く蝶槍を目指そう

ということで、常念岳・蝶ヶ岳に向かうことに。山頂付近は雲に覆われていたものの、時々姿を見せてくれる槍・穂高連峰を横目に見ながら、けっこうアップダウンのある稜線を頑張って歩きました。この日の泊まりは蝶ヶ岳ヒュッテで、50名ほどが宿泊。夕食のメインはうなぎでした。
最終日の4日目は暴風雨のなか、長塀尾根を下って上高地に無事下山しました。
辻さんは昨年のツアーで水晶岳を目指したものの、体調不良により野口五郎岳で断念した経緯がありましたので、今年こそは目標とする槍ヶ岳へ、との想いも強かったのですが、またまたお預けになってしまいました。ただコース変更を含め、いろいろ印象に残る山行であったと思います。これに懲りず、また次の機会に槍ヶ岳にチャレンジしてください。
最後に蝶ヶ岳ヒュッテでお会いした小淵沢のおじさんと岡山のおねえさん(?おばさん)、一緒にお酒を飲んで楽しい一時を過ごすことができました。これも山旅のいい思い出です。ありがとうございました。