白馬の小さな宿 ペンションあぎ 長野県北安曇郡白馬村エコーランド
  白馬の小さな ペンションあぎ


 
  HomeWhat's NewAlbumGalleryBlogSitemaphakuba.info Login  

        Menu


        オンライン状況
12 人のユーザが現在オンラインです。 (12 人のユーザが あぎあぎ通信(ブログ) を参照しています。)

登録ユーザ: 0
ゲスト: 12

もっと...



あぎあぎ通信(ブログ) - studioMさんのエントリ
 studioMさんのエントリ配信

2008/03/24
鹿島槍東尾根 −ダイナミックで爽快な雪稜登攀−

執筆者: studioM (18:30)
鹿島槍ヶ岳東尾根
(山行日) 2008年3月18〜20日 2泊3日
(メンバー) Mさん、Sさん、森

【3月18日】
7時30分:大町のセブンイレブンで合流。メンバーは私を含めて3名。大谷原まで移動し、共同装備を分担。
8時20分:大谷原手前にある駐車場を出発。快晴。春のような陽気。
8時40分:大谷原着。大冷沢越しに目指す鹿島槍ヶ岳が見える。半分雪に埋もれた黄色の登山ポストに計画書を投函。小休止5分。このあと東尾根の分岐点まで大冷沢沿いの林道を歩く。
9時10分:東尾根の分岐点に到着。小休止10分。アイゼン装着後、東尾根に取り付く。
登り始めは急登で、くさった雪に足が埋まり、思いのほか苦戦する。樹林帯の中を40分ほど登り、尾根に出る。いよいよ東尾根の始まりだ。進路を左にとり、ネズコの大木を縫うように登る。日差しは暖かく、滝のような汗が額を流れ落ちる。
11時25分:荒沢側から延びる尾根との合流点。大休止20分。左手に爺ヶ岳、右手に天狗尾根と天狗ノ鼻、右手奥に遠見尾根が見える。
12時40分:一ノ沢ノ頭到着。正面に鹿島槍ヶ岳が姿を現す。これから登る東尾根も一望でき、第一・第二岩峰、雪壁などルートを確認する。Mさんが30分遅れで到着。結局この場で45分の休憩。
13時25分:ハーネスを装着し、一ノ沢ノ頭を出発。この先二ノ沢ノ頭までは小さなアップダウンを繰り返しながら痩せた尾根を歩く。
足元の雪はグサグサにくさっていて、所々で踏み抜いたり崩れたりして不安定な状態。両側が切れ落ちた痩せ尾根でロープを出す(5ピッチ)。周囲では「ゴーッ」という轟音と共に雪崩が頻発しており、痩せ尾根を早く抜けたいと気持ちが焦る。
16時10分:二ノ沢ノ頭着。今日はここで泊まり。テントを設営する。先週末に入山した人達が残してくれた防風ブロックをありがたく利用させていただく。感謝・感謝。
テントに入り、まずはお湯を沸かして水分補給。そのあと美味しいお酒をいただく。夜になってテントから外に出ると、満天の星空。月明かりに照らされた鹿島槍が美しかった。現在この山域に入山しているのはおそらく我々だけなので、鹿島槍を独占している。最高の気分
21時頃:就寝。

【3月19日】
3時30分:起床。お湯を沸かし、朝食を済ませる。5時過ぎに周囲が明るくなり始める。
5時40分:テントを撤収し、アイゼン、ハーネス、ヘルメットを装着して出発。
6時00分:日の出。今日も天気が良く、風はなし。下界には雲海が広がっている。昨日緩んでいた雪は固く締まっており、アイゼンがよく効く。荒沢側に張り出した雪庇に注意しながら、急な雪壁を登る。
7時00分:第一岩峰の基部に着く。小休止10分。第一岩峰は残雪が多く、雪壁を登ることに。森リードで1ピッチ。このあたりから雪が緩みはじめる。
8時20分:第一岩峰通過。この先も急な雪壁をアイゼンとピッケル、バイルをきかせながら登る。蟻の戸渡りのようなナイフエッジを通過したところが第二岩峰の基部。
9時40分:第二岩峰着。大休止20分。ここから先がこのルートの核心部。でもこの手前のナイフエッジも冷や冷やものだった。
10時00分:第ニ岩峰登攀開始。1ピッチ目・Mさんリード。岩と雪のミックスで教蕁4笋雪に覆われているためホールドがあまりなく、見た目以上に登りづらい。チムニーの手前でピッチを切る。
2ピッチ目・森リード。チムニーを登るが、チョックストーン手前まで雪に覆われており、ここまでは楽勝。チョックストーンの乗り越えは、左側壁にある小さな棚にアイゼンの前爪をひっかけて体をグイッと持ち上げ、チョックストーンの上にある今にも切れそうな残置ロープをつかみながらよじ登り、岩峰最上部にある支点でビレイを行う。卦A0。2番目に登ったのはSさん。チョックストーンでやや苦労するも、終了点まで登りきると雄叫びをあげて喜びを爆発させていた。
12時00分:第二岩峰通過。しばらく雪稜を歩くと広いテラス(テント二張りは張れるほどの広さ)があったので、ここで小休止。しかしよくこんな広いテラスを作ったものだと関心する。
12時40分:荒沢ノ頭。右下にカクネ里の大斜面が広がっている。五竜岳や白馬岳も見えてきた。この先も高度感あふれるナイフエッジが続き、快適な雪稜登高が楽しめる。
13時15分:鹿島槍ヶ岳北峰着。東尾根の登攀終了!南峰をバックに記念写真を撮る。小休止10分。この頃から雪が降り始める。
14時20分:南峰着。気温が下がり、吹雪始めた。先を急がねば・・・。20分後に冷池目指して出発。稜線は信州側に5〜10メートルの雪庇が張り出していた。ほぼ夏道沿いに下降する。布引山のあたりで真っ白な雷鳥と遭遇。
16時15分:樹林帯に入ってからクサレ雪の踏み抜きに苦労しながら、ようやく冷池山荘到着。今日はここの避難小屋にお世話になることに。小屋の中はコンクリートのたたきで12畳ほどあり、トイレ付き。外は吹雪いているが、中は静かで非常に快適。避難小屋は利用料一人1000円で、下山後に小屋を管理している柏原さんへ送金してください。
20時00分:今日の登攀を振り返りながら就寝。

【3月20日】
4時30分:起床。朝食を済ませ、小屋の中で出発準備をする。
6時30分:冷池山荘出発。昨日から続く吹雪で新雪が30センチ以上積もっている。昨日までは春山だったが、今日は一転して冬山になった。トレースは全て雪に覆われて消えてしまい、ガスにより視界は50メートルしかない。赤岩尾根の下降点を見つけられるのか少々不安になりながら、樹林帯の中をラッセルで進む。
7時00分:冷乗越の分岐着。赤岩ノ頭に向かって爺ヶ岳方面に登る。15分後、赤岩ノ頭と思われる赤岩尾根の取り付きを発見。信州側に張り出した痩せた尾根を慎重に進み、周囲の地形と地形図から判断して、赤岩尾根と確信する。
7時30分:100メートルある雪壁を下降開始。2ピッチ。中間点にダケカンバがあり、そこでピッチを切る。このあたりは吹き溜まりで膝上の積雪。雪崩に注意しながら慎重に降りる。
8時20分:雪壁を無事下降。痩せた尾根をしばらく歩いて小休止。相変わらず濃いガスで視界不良。地形図とコンパスで方向を定め、下降する。
この先高千穂平までは新雪ラッセルに加え、下層にあるクサレ雪を踏み抜くことがあり、ひどい時には胸まで沈み込んでしまって脱出に一苦労。体力のロスと時間の浪費が続く。
10時15分:高千穂平着。ここから右側に見える尾根を下る。いつのまにか風がなくなり、視界も少しはよくなってきた。下降するにつれ、足元の雪がパウダーから湿った重い雪に変わってくる。急斜面では自分の足元から小規模の表層雪崩が起こる。
尾根は下部に行くほど急傾斜になり、重い雪に足を取られペースがあがらない。
12時15分:赤岩尾根を下りきって、ようやく西俣出合に出る。疲れてヘトヘト。。。小休止15分。アイゼンを外し、林道を下る。
13時45分:大谷原の駐車場着。

3日間を通じて、充実した楽しい山行でした。
雪の状態が不安定であったり、ロープワークに手間取って時間をロスしたりして、想定していたよりも時間がかかりましたが、難局な場面でも現場の判断でうまく切り抜けることができたと思います。それぞれに収穫と課題がありましたので、それを次回の山行に生かせるようにしたいと思います。
studioMさんのブログを読む | コメント (0) | トラックバック数 (0) | 閲覧数 (4755)
このエントリのトラックバックURL
https://agiagi.com/modules/weblog/weblog-tb.php/187
印刷用ページ 友達に送る
新しいコメント
アイコン
表題
コメント
 
 
投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。

ブログ カレンダー
«  «  2024 4月  »  »
31 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 1 2 3 4

最新ブログエントリ
アーカイブ

(1) 2 3 4 ... 18 »

最近のイメージ

最近のコメント
はじめまして
ゲスト (2019/08/17)
最近のトラックバック