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あぎあぎ通信(ブログ) - studioMさんのエントリ
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2008/06/23
北鎌尾根 −多くの岳人が挑んだ名クラシックルート−

執筆者: studioM (23:50)
槍ヶ岳・北鎌尾根
(山行日) 2008年6月16〜19日 3泊4日
(メンバー) Sさん、森

【6月16日】
3時30分:信濃常盤駅でSさんと合流後、七倉へ移動。夜が明け始める。
4時08分:七倉ゲート出発。高瀬ダムまでは舗装された道。お天気は良さそう。
5時15分:高瀬ダム着。小休止10分。おにぎりを食べる。
6時18分:車道終了点着。小休止10分。
7時38分:湯俣着。小休止20分。
7時58分:湯俣出発。東電の取水口を過ぎ、吊り橋を渡って左に折れる。ここから千天出合の手前までは、水俣川の左岸(進行方向右側)を遡る。
中東沢出合まで高巻き3回。3回目の高巻き入口がわからず、踏み跡らしき沢を登り詰めたりしたため、1時間近くタイムロス。
3回目の高巻き終了後、水俣川の河原に降り、残置ロープのある岩のへつりを越える。
10時25分:中東沢出合着。その先、千天出合手前の徒渉地点まで高巻き4回。
11時20分:岩にボルトと残置ロープのかかるへつり通過。
12時30分:右岸に吊り橋の残骸を確認し、その先の徒渉地点に到着。湯俣からここまでは高巻き、河原歩き、全て左岸を進んだ。徒渉は一度もしなかった。
比較的流れの穏やかそうな場所を選んで徒渉開始。2,3メートル進むと股下までつかり、行動不能に。一旦戻り、流木を杖にして再度渉るが、川の流れが早く、裸足のため(徒渉グッズなし)足下が滑って非常に不安定な状態。前進できないため引き返すが、バランスを崩してあえなく沈。全身ずぶ濡れになる。
結局ザイルで確保してもらいながら上流→下流方向に斜めに進み、ようやく徒渉成功。一番深い所で腹まであった。対岸に渡ってからSさんの確保の準備をするが、体が冷えきって足がつりそうになる。寒さに震えながらSさんを確保。Sさんは胸までつかったが、一回で徒渉成功。
13時30分:1時間かかってようやく徒渉終了。8回目の高巻きをしたのち、千天出合に出る。
13時48分:千天出合着。小休止8分。
13時56分:千天出合出発。ここから天丈沢の右岸を遡る。
14時30分:対岸にあるくたびれた赤布を発見するが、そこがP2取り付きなのかどうかわからない。その場に荷物を置いてさらに上流へ登ると、明確な赤布を発見。徒渉できそうな場所を探す。どこも流れが早く難しそうであったが、P2取り付きより少し上流の場所が比較的穏やかだったので、そこに決める。
15時05分:天丈沢徒渉開始。ザイルで確保をしてもらいながら倒木を手がかりにして渉る。膝上までの深さ、水は冷たく10秒入っているだけで足の感覚がなくなる感じ。ここは一度で徒渉成功。
15時25分:天丈沢の徒渉終了。
15時40分:P2に向かって登り始めるが、P2まで登って雪がなかったら困るので、ここで幕営することに。
16時05分:P2取り付きに戻り、テント設営。暗くなるまでたき火をする。

【6月17日】
3時00分:起床。
4時38分:P2取り付き出発。P2までは樹林帯の急登で、木の根っこや幹をつかみながらぐいぐい登っていく。P2手前のテント場周辺に雪がなかったので、前日の判断は正解だった。
6時10分:P2。山頂からP3〜6が見える。
6時22分:P2出発。
7時48分:P3。
7時56分:P3出発。
8時30分:P4。P2〜P4は部分的に藪こぎがあるものの、特に問題なし。
8時55分:P4出発。一旦下り、登り返した先で踏み跡が消える。足下には天丈沢側に落ちる急な雪渓があり、過去の報告書などから、どうやらここを降りた先にルートがあるらしい。懸垂で25メートル降りて雪のポケットに入り、さらに雪渓をトラバースするが、ここで足を滑らせてしまい10メートルほど滑落してしまう。それを見たSさんはアイゼンを装着して降りる。
雪渓を下り終えた場所から先のルートを見つけるのに時間を費やす。報告書では進行方向に樺の木とあるが、ルートがなかなか見つからない。結局降りた場所より少し上の地点からP5基部の岩峰を巻くように進むルートを見つけ、進んでいく。
岩峰を巻いた先のルンゼ状の草つきの急斜面を登り、樺の木がある中間部より先は岩場が続く。登りきった尾根に明確な踏み跡があった。
11時13分:登りきったところをP5,6のコルと勘違いしてしまい、千丈沢側の巻き道を探すが見当たらず・・・ここでも時間を費やしてしまう。この先のルートは尾根上に延びる岩のリッジしかなく、ここを進むことに。(結果、正解だった)
岩のリッジを約25メートル登り岩をまたぐとテラスに出て、そこにハーケンと残置の細引きあり。その先は傾斜がきついが、足下がしっかりしていて見た目ほど難しくはなかった。ザイルを50メートルいっぱい延ばして1ピッチで通過。踏み跡の不明瞭な灌木帯を登った先がP5のピーク。
13時18分:P5。ピークは灌木で埋め尽くされていてスペースなし。小休止10分。
13時53分:P5,6のコル。P6への登りは千丈沢側を巻く。石雪崩のおきそうなガレ場の急登なので一応ザイルをのばす。50メートル1ピッチで通過。
14時40分:P6。
14時52分:P6出発。
15時04分:P7。
15時20分:北鎌のコル。テントを設営できるスペースがあるが、翌日の行動を考え、もう少し前進することに。
15時35分:北鎌のコル出発。P8への登りでは、時々雪を踏む。
16時55分:P8手前の小さなコルにテント1張分のスペースがあり、ここで泊まることに。幸いテントのすぐ横に雪が残っていたので、水の心配はなし。

【6月18日】
2時30分:起床。
4時15分:テン場出発。東の空が赤く染まっている。今日もお天気よさげ。
4時30分:P8。目の前に独標がどっしりと構えている。
4時50分:P9(天狗の腰掛け)通過。
5時30分:独標取り付き着。千丈沢側のトラバースルートへ進むが、残雪が多く、また急斜面であるため滑落の危険が高いので、取り付きに戻って直登ルートを登ることにする。
6時00分:ザイルをセットし、直登ルートを登り始める。正面は垂直の壁だが、天丈沢側に回り込んだところに岩溝があり、ここを攻めることにした。登り始めは少しかぶり気味だが、一段上に抜けると足場がしっかりしていて登りやすい。その先の残置ロープが巻かれた岩でピッチを切る。25メートル。
2ピッチ目は岩のリッジで、両側が切れ落ちてるので高度感はあるが、難しくはない。ハーケンや岩でプロテクションをとる。40メートル。
7時00分:2ピッチ目終了。ザイルを片付け、ピーク手前の急な雪壁を直登すると、独標に着く。
7時30分:独標(P10)。小休止15分。ようやく大槍が見えた。
7時45分:独標出発。ここから大槍までギザギザした岩稜帯が続く。いくつものピークがあるので、P11〜14は正確かどうか不明。
今日はなぜか朝から口の中がカラカラで、その渇きを癒すため所々に残っている雪を食べまくる。その姿はまるで野人・・・。
8時10分:P11。
8時20分:P12。
8時42分:P13。P13からP14を越えたあたりまで、天丈沢側を巻いたり、千丈沢側を巻いたりしながら進んだ。雪渓があったり、脆い岩場の懸垂があったり、ルートファイディングがけっこう難しかった。1ヶ所わずか3メートルほどだが60度以上の雪渓トラバースがあり、安全のためザイルで確保をして渡る。
9時52分:P14。
11時40分:P15。大槍が近づく。
11時56分:北鎌平。
12時16分:北鎌平出発。大きな岩がゴロゴロした斜面を登る。一部残雪を踏むところもあった。
13時12分:大槍取り付き。
13時26分:大槍取り付き出発。いよいよ最後の登り、山頂は目の前だ。
山頂手前にチムニーが2ヶ所あるが、ノーザイルで通過。上のチムニーを通過したあと、左に巻く登りやすいルートがあったようだが、よくわからないまま直登を続けた。最後は祠のすぐうしろに飛び出した。
14時08分:槍ヶ岳登頂!ギャラリーはなし(残念)。登ってきた尾根を見下ろせば、はるか下に湯俣が見えた。ここまでよく登ってきたものだ。それにしても尾根の取り付きから山頂まで丸2日、アプローチを含めれば丸3日、なんと長い尾根であろうか・・・。
14時28分:下山開始。大荷物を背負っての大槍下山はけっこう緊張する。
14時58分:槍ヶ岳山荘。ここで初めて人に出会う。山荘でジュースを買って、乾杯!
15時32分:槍沢下山開始。山荘を出てすぐ雪渓で、大曲まで続く。雪上を滑りながら一気に降りる。
16時30分:大曲。ここから先は夏道を歩く。ババ平までは雪と夏道が半々。
16時54分:ババ平。
17時05分:ババ平出発。
18時25分:横尾。今日はここまで。ビールで乾杯!お風呂に入りたかったが、テント泊の人はダメでした。

【6月19日】
5時00分:起床。
6時40分:横尾出発。
9時05分:上高地。
10時00分:新島々行のバスに乗車。新島々〜松本は松電、松本〜信濃常盤はJR。
信濃常盤から大町温泉郷へ移動し、温泉、お昼を食べ、七倉へ向かい、七倉で解散。白馬に帰ったら17時だった。

あこがれであった北鎌尾根を踏破しました。毎日12時間以上歩き続け、徒渉、藪こぎ、岩登り、ルートファイディングなど、登山の総合力が試されたルートでした。天気は梅雨だというのに奇跡的に3日間とも晴れ。条件には恵まれました。
入山前に比べて3パーセントも落ちた体脂肪、藪や岩角で傷だらけになった腕や足、それらがこのルートの困難さを物語っています。結果としては無事に縦走できましたが、徒渉や雪上歩行に対する認識の甘さがあり、この点はしっかり反省をしなければなりません。

いやぁ〜それにしても北鎌尾根はいろいろあって大変でしたが、楽しかった!さすが日本を代表するクラシックルート、またチャレンジしてみたいです。
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