5月の六百山に続き、上高地にあるマイナーな山、霞沢岳に登ってきました。
今回の計画は、白馬山案内人組合の総会のあとに行われた懇親会の席上で「どこか山に登らない?」という先輩ガイドのお誘いから始まり、それがいつの間にか白馬遭対協と案内人組合の合同研修会という大げさなことになってしまったのですが、いざ当日になってみれば当初相談したメンバー+1人が集まっただけでした。
霞沢岳や六百山は、穂高に登ったことがある人なら稜線や山頂からその姿を見たり、地図で確認している山だと思います。私も山名は知っていたものの、ルートや地形については全くといっていいほど知らない山でした。
今回登ったルートは八右衛門沢から。その昔「八右衛門さん」がここでよく釣りをしたのかどうかは知りませんが、徳本峠からの登山道ができる前は、霞沢岳への唯一のルートだったようです。
登り始めは傾斜のゆるいゴーロ歩きで、雪渓に取り付いてからは傾斜が徐々に急になり、落石も多く、気を抜くことができません。標高2,000mを越えたあたりからガスがかかり始め、視界も悪くなり、地形図を確認しながらルートを選びました。まさに山名の通り霞沢状態。
稜線直下の急傾斜を登りきって、お昼前にようやくK2ピークに到着。登山地図には「穂高の展望が素晴らしい」と書いてあるのですが、ガスで視界50mのため何も見えません
腹ごしらえのあと、落石の多い沢を下るのも不安なので、残り時間の関係で霞沢岳のピークをあきらめ、徳本峠経由で上高地へ下山することに決めました。
徳本峠へのルートはよく整備されてました。マイナーと思いながらも意外に訪れる人がいたりして。登山道は急傾斜のところがあったり、残雪でルートを見失いそうになったり、なんといっても距離が長く
、なかなか手強いルートでした。
明神に下山したのは4時40分。既に一般の観光客の姿はほとんどなく、バスターミナルまで続く長い道のりをのんびりと歩いて帰りました。
この時期の上高地はお花が多く、鮮やかな新緑と残雪の穂高連峰がとても美しいと思います。今が一番いい季節だと感じるのは私だけではないと思います。時間のある方は一度この季節に訪れてみてはいかがですか。