国内トップクラスのスケールの大きさ、多彩なコースバリエーション、素晴らしい山岳景観などなど、八方尾根スキー場を形容する言葉は次々に湧き出てきます。
一番の魅力は、なんといってもスキーヤーを飽きさせないゲレンデレイアウトでしょう。黒菱、兎平、リーゼンなどの有名ゲレンデから、通好みのスカイライン、チャンピオン、国際ゲレンデ、山麓に広がる名木山、白樺、咲花ゲレンデまで、多種多彩なコースがあり、ロングクルージングするもよし、コブ斜面で練習するもよし、いろんな楽しみ方ができます。私もいろんなスキー場で滑ったことがありますが、何回滑っても飽きない、またチャレンジしたくなる、そう思えるのは八方しかありません。
ただし、ゲレンデの難易度は高く、初心者・初級者には厳しいスキー場ともいえます。スキーヤーとスノーボーダーの割合は8:2で圧倒的にスキーヤーが多いのも特長。
ゲレンデから見る山岳景観もダイナミック。白馬三山、不帰ノ嶮、五竜岳、鹿島槍ヶ岳などの北アルプス後立山連峰をはじめ、火打山、妙高山、高妻山、戸隠山、浅間山、美ヶ原、八ヶ岳、南アルプス、そして富士山まで、日本のみならず世界でもトップクラスの大パノラマが望めます。トリノオリンピックでも本場アルプスの素晴らしい山並みが映し出されますが、それに負けないぐらいの景観が八方から楽しめます。
最上部の標高が1831m、標高差1071m、最長滑走距離8km、これは全て迂回コースを滑った場合の距離だと思いますが、地図上では全長3.5km以上、山麓の名木山から咲花ゲレンデまで2kmもあり、ゲレンデ規模としても国内屈指のスケールです。
あまり表面には出てきませんが、ゲレンデ整備もピカイチです。段差のない綺麗な圧雪バーンは隠れた魅力であり、「朝一リーゼン」(朝一番に圧雪されたリーゼンコースをかっとぶこと)なんて言葉もあるくらいです。
素晴らしいことばかりのようですが、ゲレンデサイドに大型の駐車場がなく、無料の駐車場はゲレンデから少し離れていて、ゴンドラ駅や名木山ゲレンデ近くにある駐車場はいまだに有料、しかも日程によって料金が異なります。ゴンドラ駅周辺の道路は狭く、時には渋滞することもあります。スキー場の規模に比べ、アクセスは非常に不便。また一昔前まではスキー場で働く従業員や宿泊先のホテル、旅館、ペンションへのクレームが多くて殿様商売だったのですが、最近はずいぶん改善されてきたと思います。
いい面、悪い面、いろいろありますが、それでも大きな魅力のある八方。まだ滑ったことのない人はぜひ一度滑ってみてください。