午前3時起床。あぎさんは寒さであまりよく眠れなかった様子。お湯を沸かしてコーヒーを飲み、朝食を食べ、まだ夜が明けきらない朝5時にヘッドライトを装着して西穂山荘を出発。
西穂山荘を出発して40分後、ようやく辺りが明るくなり始めました。お天気は曇りで、西穂高岳付近はガスで何も見えず。私達より30分前に3人組(ガイド+中高年女性2名)が出発しているのですが、歩くペースが速いのか、登山道の先にその姿は見えない。
西穂独標、ピラミッドピークを越え、8時に西穂高岳山頂到着。ここから奥穂高岳まで岩稜帯が続きます。ハーネスを装着し、ザイルを準備してから出発。稜線は相変わらず濃いガスに包まれてますが、時折ガスの切れ間から嶮しい山並みが見えます。
赤岩岳、間ノ岳、天狗の頭。それ以外にも小さなピークがいくつかあり、岩稜帯を登ったり下ったりの繰り返し。片側、もしくは両側が切れ落ちた所もあって、スリリングな稜線歩きが延々と続きます。登り下りの長い岩場にはクサリがつけられてますが、そこよりも片側が切れ落ちてる急斜面のトラバースの方が危険で、誤って滑落すれば命の補償はありません。
天狗のコルまではほぼコースタイム通りに歩きました。ここからジャンダルムまで、長い登りが続きます。時間は昼前ですが、周囲がガスで少し薄暗いため、夕方近くのような感じを受けます。前方(奥穂)から歩いてくる人もなく、3人組の姿も見えないので、二人っきりの寂しい登山が続きます。
コブ尾根の頭まで登り詰めた時、前方にジャンダルムが見えてきました。こちら側から見ると小さなピークにしか見えないのでそれほど威圧感を感じないのですが、奥穂側から見るとその異様な山容に驚かされます。
ジャンダルムは西穂側からだと容易に登ることができるので、ジャンの基部にザックを置いて山頂に登ってから記念撮影。残念ながらガスで周囲は何も見えませんが、あぎさんは憧れのジャンのピークに立てて嬉しそう。
ジャンダルムからはこのコースの核心部を歩いていきます。空からはアラレが降り始め、気温はおそらく氷点下です。ロバの耳からガレた岩場を大きく下り、登り返したところに最大の難所・馬ノ背が待ちかまえています。馬ノ背はその名の通り馬の背中のように両側がスパッと切れ落ちた岩場で、ここは迷わずザイルをのばしました。
慎重に馬ノ背を通過したあと前方に奥穂高岳の山頂が見え、16時過ぎに奥穂山頂到着。天狗のコルからちょっと時間がかかりましたが、ようやくここまで来ました。
そのあとアラレが降りしきる中、穂高岳山荘まで下って、本日の行程終了。テントで祝杯をあげ、夕食を腹一杯食べて就寝しました。明日は涸沢へ下ります。