午前3時30分起床。朝食を済ませテントを出ると、東の空が赤く染まり始めていた。上空に雲はなく、安曇野周辺には雲海が広がっている。今日は最高の天気になりそう。
昨晩降った雪で凍ったテントを撤収し、6時に穂高岳山荘を出発。朝日を全身に受けながら、雪で白くなったザイテングラートを慎重に下っていきます。眼下には紅葉で色づく涸沢が見えますが、前穂北尾根の陰に飲み込まれているため、まだ眠っているように見えます。
およそ2時間で涸沢に到着。真っ赤に燃えるナナカマド、真っ青な空、涸沢の紅葉はいつみても綺麗ですね。涸沢ヒュッテにあるテーブルでお湯を沸かしてコーヒーを飲みながら、ゆったりした時間を楽しみました。
涸沢ヒュッテに着いた時ですが、霜がおりた石段で足を滑らせて運悪く骨折された方がいました。山では何でもないような場所でも、ちょっとした油断で怪我につながってしまいます。涸沢まで下ってしまえばあとは楽勝、と気持ちが緩みがちなので、上高地に下山するまで気を抜かないようにしました。
横尾まで来ると、その先は梓川沿いの平坦な道。ここから上高地まで11kmの長い道のりは、けっこう辛いです。明神まで来ると、急に一般観光客の人が増えてきました。河童橋周辺まで来るとますます人が増えて、さらに沢渡行きのバスに乗るとバスターミナル入場待ちの観光バスが数珠繋ぎになっていて、さすが上高地、といいたい所ですが、ちょっとオーバーユースの気もします。
それはともかく、なんとか無事に西穂・奥穂を縦走することができました。下山後は心地良い疲れと充実感に包まれながら、のんびり白馬まで帰りました。3日間楽しい山旅でした。